お泊り旅

酸ヶ湯温泉旅館・徹底解説

2024年1月5日

青森は八甲田山中、酸ヶ湯をご存じだろうか

青森の山の中にある、酸ヶ湯をご存じですか?名前だけは聞いたことがある方も多いと思います。この字で「すかゆ」と読みます。国民保養温泉地が定められたときに、その第一号として認定された場所。歴史は古く、300年も前に開かれていたといいます。標高は925m、山の中の一軒宿です。

わたしりゅりゅはこの酸ヶ湯が大好きで、もう何年も通い詰めています。決して近くはないのですが、フェリーに乗り、車を走らせ、酸ヶ湯の温泉を求めて旅に出ます。憑りつかれている、と言っても過言ではないかもしれません。

今日は、そんな酸ヶ湯の魅力とお泊りを徹底解説しようと思います。ぜひお付き合いください。

酸ヶ湯温泉旅館詳細

酸ヶ湯への道のり

酸ヶ湯へは、青森市街から103号線を上っていきます。青森駅から車でおよそ1時間、となっていますが、写真のような雪景色だとさらに時間がかかります。除雪はいつ行ってもしっかり行われていますが、天候によっては付近の道路が封鎖になることもある場所です。よくよく道路情報を確認しながら行きましょう。こちらが103号線を行く写真です。雪です。

しかし先ほどのレベルでは雪は終わりません。のぼればのぼるだけ、雪は深くなっていきます。この写真は2023年冬のものですが、今回は雪が少ないほうだと感じます。多い時は左右に数メートルの雪の壁が出来上がっています。そんな中を1時間、車の窓を閉めていても硫黄が香ってきたらそろそろ酸ヶ湯です。

酸ヶ湯へ到着

こちらが玄関の様子です。駐車場は広々です。写真で見るとこれだけで大きな建物のように感じるかもしれませんが、ここに写っているのはほんの一部。この右手にも左手にも建物は続いています。全体像をとるのが難しいくらい立派なんです。

先ほどの写真は雪でよく見えないので、雪がやんだ時に撮り直したものを。玄関です。

酸ヶ湯へ入ってみよう

こちらがフロントです。このご時世なのでビニールカーテンがありますね。写真を撮った時はお客様はおりませんが、チャックイン・アウトの時間になると混雑します。待つのが苦手な方はちょっと時間をずらすのがベスト。また、酸ヶ湯には無料の送迎バスがあります。自家用車でない方は駅から送ってもらえますので、こちら(酸ヶ湯さんの公式サイトの「アクセス」のページ)をご覧ください。

酸ヶ湯内は基本スリッパ履き(広間など、スリッパを脱ぐ場所もあります)。ですので靴はこちらの下駄箱へ。

酸ヶ湯は、棟方志功さんが大変愛した場所。棟方志功さんはここ酸ヶ湯で、八甲田の自然や女性の絵をたくさん描かれました。そのため、酸ヶ湯内には棟方志功さんの本物の絵がや書がたくさん飾ってあります。玄関にあるこちらの大きな絵もそのうちの一つ。迫力のあるタッチで描かれた素敵な絵です。

こちらが大まかな案内図です。パンフレットが置いてあり、郵便ポストもあります。湯治で長逗留するときには便利ですね。

酸ヶ湯のプラン選び

酸ヶ湯にはたくさんのお部屋があり、それぞれが旅館部と湯治部に分かれています。お部屋ごとに料金設定があり、どこに宿泊するか悩まれるかもしれません。今回は、初めて酸ヶ湯に宿泊したい人でも自分に合ったプランを見つけられるようガイドいたします。

まず前提として、どの部屋に宿泊しても入れる温泉は同じです。男女各一か所ずつある「玉の湯」と、「ヒバ千人風呂」とよばれる畳160畳もある混浴の大浴場です(温泉の詳細は後述します)。

お部屋は2種類、旅館部のお部屋と湯治部のお部屋があります。食事もおおまかに2種類、旅館食と湯治食があります(最近旅館食のさらにグレードアップなどもあるようです)。

旅館部は、1号館、イ棟、7号館。湯治部は2号館、3号館、5号館、6号館です。旅館部と湯治部の違いは、①お宿の人がお布団を敷いてくれるか自分で敷くか、②アメニティのあるなし、③炊事場があるかないか、④シーツ等の交換頻度などが違います。基本的に旅館部は一般的なお宿に泊まるのと同じです。湯治部は、布団の上げ下ろしなどがセルフです。ポットのお湯がなくなったら湯治部にはある炊事場へ行って自分でお湯を沸かして補給します。基本、自分でできることは自分でします。湯治部の炊事場には、ガスや電子レンジがあり、自由に使えます。やかんもありますし、まな板も、特定の場所には食器類もあって貸し出してくれます。

また、1号館と3号館には、お部屋にトイレがついています。わたしはお部屋でお酒を飲むときには3号館に宿泊することが多いです。

1号館は、ベッドのお部屋で新しいです。一番お値段もお高いです。イ棟は昔ながらのお部屋で、造りは古いですが情緒があって素敵なお部屋です。女性の玉の湯の付近です。3号棟は湯治部でありながらおトイレもあるしお部屋は新しいし、もっと言えば「湯治部3号館に宿泊だけど、食事は旅館部と同じもの」で宿泊することができます。もちろん食事を変えると料金も変わりますが、湯治として炊事場があったり自分で布団敷いたりは楽しんでみたいけど食事や設備はいいものがいい、という贅沢ができます。2号館、5号館、6号館は6畳のお部屋と8畳のお部屋がそれぞれあります。古い建物で、情緒を味わいたいならうってつけです。廊下を歩く人の気配などがわかります。決して新しくはありませんが、清潔感はありますしお手頃なお値段も嬉しいです。7号館は宿泊したことがありません。実は、以前7号館を制覇しようと予約を入れたことがあるのですが、「この時期(冬)は7号館は暖房していないので同じお値段でもっといいお部屋へご案内します」といわれたことがありました。いつか7号館にも泊まってみたいなあ。

情報がごちゃごちゃしてきたので表にまとめます。

分類食事寝具トイレの有無備考
1号館旅館部旅館食ベッドあり新しくて洋室なので外国人観光客が多い
2号館湯治部湯治食自分で敷くお布団なし古い湯治のお部屋
3号館湯治部旅館食・湯治食両方あり自分で敷くお布団あり新しい和室
5号館湯治部湯治食自分で敷くお布団なし古い湯治のお部屋
6号館湯治部湯治食自分で敷くお布団なし古い湯治のお部屋
7号館旅館部旅館食敷いてもらえるお布団なし冬は使っていないこともあった
イ棟旅館部旅館食敷いてもらえるお布団なし趣ある昔からの旅館部
2023年度の情報です

これらの条件を勘案したうえで、お部屋選びをしてください。

酸ケ湯の温泉事情

酸ケ湯の大きな浴槽である千人風呂は混浴です。と書きますと、女性の方からは不安の声が上がるかもしれません。しかしご安心ください!酸ヶ湯の売店には、湯浴み着が販売されています。

こちら、使い捨てではありません。分厚いフェルト地のような布でできていて、水を吸っても透けることがありません。千人風呂の脱衣所には小さな脱水機も設置されていますので、この湯浴み着を着用して混浴を楽しみ、入浴後は脱水機で絞ってお部屋まで持ち帰り乾かし、再度入浴時に使う、といったことが可能です。

個人的には、冬は必要ないと思います。酸ヶ湯のお湯は真っ白で、浸かってしまえば体が見えることはありません。また、冬は立ち込める湯気で数メートルの視界もないほどです。なので冬でしたら手ぬぐいでうまく隠しながら入浴できちゃうかな。

それ以外の季節は湯気の量が違うので、割とお湯の中以外の視界がクリアです。ぜひ湯浴み着を使ってみましょう。

ちなみにりゅりゅはここで購入した湯浴み着をよその湯浴み着OKな混浴に持参していくこともありますよ。

千人風呂の前には貴重品ロッカーがあります。脱衣所内のロッカーは100円が戻らないタイプなので、貴重品はここへ預けていきましょう。かぎが真っ黒なのは温泉成分が濃いせいです。このロッカーは写真には写っていませんが裏面もあり、裏面はいつでもすいています。

こちらが風情たっぷりな看板。「まいね」は、いけませんという意味です。混浴では見ても見せてもいけません。みんなでいいお湯だねって純粋な気持ちで喜びを共有できたらそれでOK。

入浴にはしきたりがあります。浴槽がいくつかあるので、それぞれ時間を決めて入浴します。

これが千人風呂の入り口です。向かって右手が女性用脱衣所、左手が男性用脱衣所です。脱衣所は完全に別ですので、気まずい思いはしません。

女湯の作りですが、脱衣所で着替えて扉を開けると高い階段の上にいます。階段は柵に覆われていて、男性から見ることは不可能です。その柵は階段下からかぶり湯のあたりまで続いています。安心して階段を降りて、まずはかぶり湯で体を流しましょう。

かぶり湯したらいよいよ柵の向こうエリアへ突入です。ここから先は男性もいるエリアです。もし男性がいることに抵抗がある方は、柵の内側のお湯にだけ浸かるという選択肢もあります。

大きな浴槽は2つ、「熱の湯」と「四分六分の湯」がありますが、四分六分の湯の右側は女性のついたてのエリアにせり出しています。つまり、四分六分の湯は女性のみのエリアだけでも楽しめます。

しかしね、熱の湯は男性と一緒に入るしか方法がありません。この熱の湯が本当にいいお湯なんですよ!勇気のない方はぜひ湯浴み着を買ってください!

そして素敵な看板。いつか写真を撮りたいものだ。

こちらは本物のお写真です。みんなか笑顔なのがいいですね。

さて、先ほど紹介した千人風呂は、浸かるだけで洗う場所はありません。洗いたい方は、「玉の湯」という別なお風呂がありますのでそちらへ行きましょう。ちなみに玉の湯は男女別で、玉の湯の浴槽も温泉も素晴らしいものですので混浴が苦手な方にもおすすめです。こちらが男性用玉の湯。

そしてこちらは女性用玉の湯です。

この時に宿泊した3号棟には、お部屋に洗濯物を干すためのロープが装備されています。これがめちゃくちゃ便利!温泉でしめったタオルを干しておくのに広々干せて最高なんです。

千人風呂の入り口にはこのような清水もあります。温泉に入る前後に冷たくて清冽なお水をたくさん飲めるって本当に素敵。

酸ケ湯のてびき、まとめ

さて、長々書いて申し訳ありません。酸ヶ湯に関しては、年に2回のペースで通っていますので、今後も記事の更新をしていきたいと思います。酸ヶ湯愛が強すぎて、書きたいことが多くてまとめにくかったのですが、またどんどん書き足しをしていきます。

酸ケ湯は教えたいような教えたくないような、でも書き始めると止まらない!っていう感じでした。

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